商標は、商品やサービスの名前です。これに対して、意匠は、一般的には「デザイン」とも呼ばれ、商品の形状です。
例外的ですが、平面的なデザインの場合、それが、図形商標の形状と同一になることもあります。例えば、Ｔシャツの模様があった場合、それが、デザインなのか、商標なのかは、その模様がつけられている場所とか、その模様の大きさによって判断されますが、微妙な場合も生じ得ると思われます。
また、商標は、普通は平面の文字や図形ですが、商標法上、「立体商標」というものもあり、立体形状も商標として登録可能です。例えば、カーネルサンダースの人形は立体商標です。立体商標は、形状としては、意匠と同じくなります。ただし、この場合、立体商標としての人形は、フライドチキンの販売というサービスの目印として使用されているので、フライドチキンの販売と関係ないところでその人形が使用されていても、商標権侵害にはなりません。これに対して、人形のデザインとしてのカーネルサンダースの人形の意匠権は、どこに置かれていても、それが人形である限り、意匠権の侵害の問題が生じます。