これは、上の「7」と類似の質問ですが、より実務的であり、常に生じる問題です。
出願するということは、基本的には、その商標は他人の登録商標や出願中の商標とは似ていないことが前提ですし、いずれ、登録される可能性が高いのですから、使用は自由とも思われます。
しかし、商標登録出願がされてから、公開されて特許庁のウェブサイトに公開されるまで、2~3か月の時間差があり、公開前の商標は調査できません。そのため、お客様が登録したい商標が、既に他人に出願されており、しかも、お客様の商標出願時にはまだ公開されていないこともあります。また、似ている似ていないの判断は、過去の実例の積み重ねがあったとしても、人(例えば、裁判官)の主観の要素は完全には排除できません。
このため、基本的には、出願しても、登録するまで(厳密には、特許庁が「登録できます」という査定をするまで)は、使用は保留にするのが無難です。以上は一般論で、具体的な事案によっては、使用しても差し支えない場合もありますので、ご相談いただければ幸いです。